大体1年に1作オリジナル手ぬぐいを作っていますね。
今回のは、構想からだと2年越しくらいのデザインです。
テキスタイルとして服やバッグなどに展開しやすい、上下左右のない植物の柄の手ぬぐいが欲しいな〜と思って作りました。
描かれているのは、山吹(ヤマブキ)と石蕗(ツワブキ)と橘(タチバナ)です。
どの植物も、古くから和歌に歌われ、日本人に親しまれてきた黄色い花や実をつける植物です。
山吹は、3月下旬くらいに山裾でわーっと咲く姿を見ると、春が来た!って感じます。
石蕗は、園芸用として日本庭園などによく植えられていますが、海辺では野生の石蕗が晩秋に黄色い可愛い花を咲かせています。
以前、伊豆の松崎に通う機会があって、秋の石蕗の黄色が強く印象に残っています。
写真は、松崎のイベントでいただいた野の草の料理で、左上黄色いのがツワブキのナムル。美味しかった。(拡大して見てください)
春の山、秋の海辺の黄色い花の組み合わせが、山と海が近い伊豆っぽいかなあと思って図案にしようと思ったのですが、ここに「伊豆の黄色と言えば柑橘は外せない…」と欲が出て(笑)、日本の柑橘の祖、「橘」を入れました。
お雛様の横にある木、「右近の桜、左近の橘」のタチバナです。
小さいみかん。
もう国内ではほとんど野生が無いそうですが、沼津の戸田地区で栽培がされています(国内北限)。
タチバナそのものや、ジャムやお茶などの加工品をいただく機会がありますが、爽やかな甘味の酸味でとても美味しいです。
黄色と緑のぼかし染めバージョンと、
グレー1色の2種類です。
これは「あずま袋」に仕立てたもの。
柄に上下左右裏表がないので、使い勝手がいいかと思います。
今回は、白い部分が少ないリッチな仕上がりです。
まず、生地自体を焦げ茶色にクレア染めして、図柄のところに抜染着色(ハイターみたいなので色を脱色しながらカラフルに染める技法)しています。
生地の端まで模様があるデザインで抜染着色するのは難しいそうで、部分的に端が染まっていませんが、特徴としてご理解ください。
生地は糸が細くてしなやかな「特岡」です。
注染は、浜松の二橋染工場にお願いしました。
サイズ:約37cm×90cm
綿100%(特岡晒)
注染(裏表なく染まっています)
オンラインショップからご購入いただけます。